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Singate Pioneer –日本を出て海外に挑戦した人たち–   第1回 安食 隆氏 (前編)

シンガポールでHaikara Event社を率いる安食(あじき)氏が、日本を出たのは今から20年以上も前、シンガポールの隣にあるマレーシアのジョホールバルでゴルフ場開発を手掛けたのが始まりだった。

日本はまだバブル真っ盛り。日本の大手ゼネコンに勤務していた安食氏のもとに、ある日、上司から命令が下る。「今からパスポートを取って来い」。そして、「じゃ、来週からマレーシア勤務な」と言われ、ほとんど準備も出来ぬままにいきなり日本の秋田からマレーシアに赴任することとなった。バブルの頃の日本企業では、そのような光景は日常茶飯事であった…。

今と違って当時のジョホールバルはジャングルそのもの。社宅として借りた家は上下水道も通っていない、トイレすらない粗末な造り。言葉もわからないまま現地の人と仕事を開始し、密林地帯を切り開いてのゴルフ場開発が始まる。

マレーシアの伝統的な家のスタイル

安食氏はそれからゴルフ場が出来上がるまでの5年間、現場で開発の指揮を執り続けた。あまりの環境の悪さに、後から来た日本人駐在員は次々と逃げ出したそうである。しまいには本社から「今度社員を行かせるから頼む」と言われ、社員が赴任してはすぐに辞めていくという、リストラ部屋のような存在になっていたという。しかし元々山形の田舎で育った安食氏にとって、不便な環境は全く苦ではなく、むしろ楽しくてたまらなかったそうである。(写真はマレーシアの典型的な旧タイプの家)

その時に培ったマレーシアの人脈は強くつながっており、シンガポールに居を構える今でも、安食氏は月に数回ジョホールバルに足を運び、かつての仲間とゴルフをし、酒を楽しんでいる。

その後、タイやグアムでも同様にゴルフ場開発の指揮を執り続けて退職。2002年にシンガポールで会社を立ち上げる。独立後は、それまでと違うことをやろうと決意。しかし異国で何の経験もないまま事業を起こすのは容易ではない。新しい事業に知恵を絞る日々がしばらく続いた…。

そして目を付けたのは、小売業である。安食氏のシンガポール人家族が日本の商品を好んでいたことから、主にファッション関連・衣料製品を日本から輸入し、ショッピングセンターに出店、販売を始めた。
(文責:野瀬正一)

(後編に続きます)